先週、卒展を行こうという記事を書きましたが、今週も多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コースの卒展「MEDIA FREE」に行って来ましたので、続きです。私はインタラクティブなインスタレーションに関心があるのですが、その観点で3つの作品に興味を持ったのでご紹介。
まずはこの「song of raindrops」という作品。この作品は傘の裏側に付いているセンサで雨の振動をアナログ信号としてarduinoで受信し、data mappingにより音楽情報に置き換え、ブルートゥースでiphoneに送り、「雨のライブ演奏」を鑑賞できるようにするというもの。生成された音楽はネット上にありますので聞くこともできます。作者のキム・チョンウンさんに直接話を聞くことができました。
これは「GroWorD」という作品。この作品は手書きの文字と活字のペアを入力としてアルゴリズムにより生命体のような文字を生成する。この作品の面白いところは顕微鏡というギミックを使ってインタラクティブなインスタレーションとしたところ。顕微鏡は、実際に小さいものを拡大しているのではなく、レンズの焦点を合わせるダイヤルを回転させるとピントがボケたり、レンズを交換すると異なる画像表現に変化させるためのタンジブルなインタフェースとして利用しています。実装にはやはりarduinoを使って顕微鏡のダイヤルの回転をアナログ信号として取り込んで、openFrameworksで処理しているとのこと。こちらも作者の高橋昂司さんに直接伺うことができました。
これは「From the Voice」という作品。10を超える言語の音声を多数のPCで再生し、聞いたことのない多国籍な雑踏を作り出すというものです。ちょうどタイミングが良く、作者の丸山透さんのライブを見ることができました。手の動きに反応して雑踏をリアルタイムに変化させており、こちらも実装にはセンサとopenFrameworksを使っているそうです。
他にも楽しい作品が沢山ありました。「MEDIA FREE」は明日3/17までです。