2024年度 卒業研究発表会
by fujimura
卒業研究発表会AINFT
#2024年度#卒業研究発表会#AI#NFT#機械学習#ブロックチェーン
報告が遅くなりましたが、2025年3月に卒業した藤村ゼミの12回目の卒業生の卒業研究発表会は1月27日に行われました。
今年は8名7組の学生が以下のタイトルで発表しました。今年はAI活用のテーマが4件、NFT活用のテーマが3件となりました。
AI活用テーマ
- GPTモデルを用いた音楽歌詞の解析によるキャラクター生成システム
本研究では、音楽歌詞の解析を通してその音楽にマッチするキャラクター画像を生成します。音声認識モデルWhisperでマイクから入力した音声から歌詞を文字起こしし、GPTモデルで感情や特徴を解析します。その結果からキャラクターパーツを選定し、ユーザーが自由に好みのキャラクターを生成できる創作支援ツールを実現しました。 - 聴覚障がい者のための環境音認識
本研究では、聴覚障がい者が日常生活で聞く環境音を中心に音の分析を行いました。Google Colaboratory上でYAMNetを用いた音声分類を実施し、波形やスペクトログラムを観察することで、音声認識精度向上の改善点を明らかにすることを目指しました。雑音環境や類似音源での誤認識といった課題が残るものの、聴覚障がい者の生活向上に繋がる第一歩となることが期待されます。 - 生成AIを用いた画像からのシャインマスカット重さ推定
本研究では、生成AIを活用し、少量の画像データからシャインマスカットの重さを推定するシステムを構築し、その有効性を検証しました。OpenAI APIの「gpt-4o-mini」と「gpt-4o」モデルを採用し、アイキャッチ画像の通り115房分の合計460枚の画像データから重さを推定します。提案手法により、平均絶対誤差(MAE)は単純な平均の計算と比較して大幅に低減し、農業分野での効率化や持続可能性に貢献する可能性を示しました。 - 目の温度測定システムの開発とその疲労度推定への応用
本研究では、赤外線カメラと顔認識技術を組み合わせ、簡易的かつリアルタイムで目の位置を特定し、温度を測定するシステムを開発しました。開発したシステムを活用した実験から、目の温度と目の疲労度には相関があることが分かりました。非接触型温度計測の新たな活用方法を示し、スマートデバイスを用いた健康管理の一環として広く利用できる可能性を秘めています。
NFT活用テーマ
- 読者の感情を反映したNFTを発行する読書体験システム
本研究では、読了後の感情が次の読書選択に反映されにくいという課題に対し、NFT技術を活用して読者の感情を反映した「感情NFT」を提案し、新たな読書体験システムを構築しました。感情NFTは、読後に感じた「喜」「怒」「哀」「楽」「驚」「恐」「穏やか」の7種類の感情に基づいて発行されます。これにより、読書体験が感情的な価値を持つ継続的なプロセスとなり、出版社の問題点や著作権の観点、今後の展望とビジネスモデルとしての可能性も示されました。 - NFCチップとNFTの連携による真贋判定システム
本研究は、NFC技術とNFTを融合させた真贋判定システムの有効性を検証し、物理的資産の真正性をデジタル技術で保証する仕組みを提案しました。NFCチップを物理的資産に取り付け、スマートフォンでスキャンすることで、スマートコントラクトと連携し、アイテムの真正性を確認します。このシステムは改ざんが困難で透明性が高く、博物館業務や美術品取引における信頼性向上が期待されます。 - NFT活用による学習意欲の向上とコミュニティ活性化支援LMS
本研究では、オンライン学習における学習者間のコミュニケーション不足や学習成果の可視化不足の課題を解決するため、学習者の動画視聴状況に基づいて学習証明NFTを発行し、学習成果の可視化と学習者間の交流を促進するLMSを開発しました。YouTube APIを用いて動画視聴状況を追跡し、80%以上視聴した際にNFTを発行します。これにより学習者は学習成果をNFTとして保持し、同じ教科に興味を持つ学習者とコミュニケーションを取ることで、学習意欲の向上や孤独感の解消が期待されます。
また、「NFT活用による学習意欲の向上とコミュニティ活性化支援LMS」については専攻で制作した以下の概要の動画がありますので、ご覧ください。