2次元と3次元の狭間で

最近、2次元の世界を3次元化する表現手法をよく見かける気がします。例えば、書道家、雪舟さんとチームラボの制作のNHK「美の壷」のオープニングタイトルや、朝ドラの「純と愛」のオープニングタイトル等です。これらの作品は一旦3次元モデルが作られ、カメラワークにより再2次元化あるいは映像化されています。

ここで面白いのは、この過程で作られる3次元モデルが2次元のオリジナルコンテンツを生かしてモデリングされていることです。つまり、3次元空間に配置されるオブジェクトのそれぞれは「紙ペラ」のような表現であり、紙ペラを3次元空間に配置することで3次元表現していることだと思います。もともとのコンテンツが2次元ですので、3次元化が容易であるという技術的な背景もあるとは思いますが、この手法はオリジナルの2次元コンテンツの良さを保持したまま、さらに動きのある面白い作品にできるということがその魅力だと思います。

私はこのような2次元と3次元の中間のメディアに関心を持っています。完全な3次元は、人間はリアルの現実として体験しており、コンピュータ上でも3DCGは長い歴史がある分野だと思います。また、2次元の世界も太古の昔から絵画として存在し、コンピュータ上でもディスプレイは本質的に2次元ですので、様々な2DCG作品が作られてきました。一方、このような2次元と3次元の中間はどうでしょうか。


リアルな「紙ペラ」の重ね合わせの手法は、17世紀にヨーロッパで流行した「シャドウボックス」とよぶ工芸があり、実は、うちの玄関にも家内が作ったシャドウボックス作品があります(右)。とはいえ、物理的制約からたいへん手間のかかるこれらの作品は、まだマイナーな分野だったと思います。また、これをコンピュータ上で実現する場合も、これまではそのためのツールがなく、技術的な敷居が高く、プログラミングができないアーティストは手を出し難い分野だったのではないでしょうか。

近年のWebブラウザの性能向上とjQuery等のJavaScriptライブラリの爆発的な広がりにより、今後、2次元以上3次元未満のいゆる「2.X次元」のアート作品が今後広がりを見せると思います。2.Xといったとき、そのXには様々なレベルや切り口が考えられ、新しいアイデアをとりいれる無限の可能性を感じます。これは、完全な3次元(3DCG)を超える可能性もあると思います。今後、私や本ゼミのテーマとしてこのような分野に取り組んで行きたいと思っています。昨年、うちの学生がつくった本サイトのゼミメンバのページ(IEやスマホでは動きません)も2.X次元表現の一例です。

今週末、六本木ヒルズのスカイギャラリーでチームラボの以下の作品が公開されているそうです。チームラボの技術力で古典アートを見事に2.X次元化したものだと思います。

MEDIA AMBITION TOKYO | teamLab / チームラボ.

本日、21時までか…